「また10年前の悪夢が」 海洋放出へサーファーの不安

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聞き手・福地慶太郎
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 「日本で5本の指に入る波の宝庫だ」。日本サーフィン連盟福島支部長の猪狩優樹さん(45)=福島県いわき市=は、福島の海にこう胸を張る。原発事故はサーフィンにも影を落としたが、今は大きな大会を開くまでに回復。それだけに福島第一原発の処理済み汚染水を海に流せば、「10年前の悪夢が来る」と懸念する。

 ――政府は処理水の海洋放出について、最終調整を進めている。

 「原発事故後は放射能への不安が広がり、福島の海に人が来なくなった。サーフィンの大会をやるのも反対された。ただ、徐々に海水浴場が再開し、大丈夫だと思ってもらえるようになり、今では大きな大会も開けるようになった」

 「やっと積み上げてきたのに、処理水が海に流されれば、また10年前の悪夢が来るんじゃないかと思う。処理水の放出による損害への補償はいらないので、海に流さないでほしい」

 ――福島の海の特徴は。最近はどんな大会を開いているのか。

 「福島の海は、年間を通して波がない時期がない。日本で5本の指に入る『波の宝庫』だ。いわき市の四倉海岸は全国でもまれに見る砂浜の広さ。駐車場が広く、大会をやるには環境が抜群。地元の人や役所もサーフィンに理解がある」

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 「2018年、19年には約…

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