保存か解体か…「被服支廠を知って」ガイド本作成へCF

東谷晃平

 保存・解体問題に揺れる広島最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(広島市南区)を知ってもらうガイドブックを作ろうと、広島市在住の男性がクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。「まずは知って、どうしたら良いのか自分の頭で考えてほしい」と話している。

 ペーパークラフト作家の遊馬(あそま)しいし(本名・白石裕)さん(57)。一昨年12月、県が所有する被服支廠3棟のうち2棟を解体する方針だと知り、初めて現地を見に行った。「美しく、怖いもの」と、その存在感に衝撃を受けた。同時に、原爆ドームは広く知られているのに、被服支廠は自身も含めて広島市民も知らない人が多いのではと問題意識を持ち、建物のペーパークラフトを作った。

 遊馬さんも、保存か解体か、明確な答えはない。周辺に住む人の「残さなくていい」という声も聞いたからだ。だが、市民もよく知らない建物が十分に議論されないまま解体されるのはおかしいと思い、建物の歴史や価値をまとめたガイドブックを作ろうと考えた。

 ガイドブックは市内の公立小中学校1クラスに1冊ずつ配布する予定。出資者への返礼品として、自身が作った被服支廠のペーパークラフトを用意する。

 CFは2月14日まで、ホームページ(https://camp-fire.jp/projects/view/349928別ウインドウで開きます)で…

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