「医療崩壊しないと伝わらないのか」 岩田教授の警鐘

有料記事コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

聞き手・月舘彩子
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の知事が緊急事態宣言を出すように政府に要請し、官邸側の判断が注目されている。感染症内科医の岩田健太郎・神戸大大学院教授は、「政府はずっとポイントを無視してきた」とこれまでの対応を批判しつつ、緊急事態宣言については慎重な姿勢だ。3日に考えを聞いた。

 ――緊急事態宣言が必要な事態になっていると考えますか。

 「宣言」は他の方法が一切通用しなくなった時の最後の手段だ。

 そうでない対応の仕方はあると思う。効果さえ出れば何でもいい。「感染者を減らす」ということが一番大事だ。

 だが、7月以降の日本政府は、このポイントをずっと無視してきた。「若者中心で」「繁華街中心で」「無症状の人が多く」「重症者は増えていない」「死者は増えていない」「医療は逼迫(ひっぱく)していない」と言い続けた。

 基本に戻り、感染者を減らす対策を打つ必要がある。減らなければもっと強める。減っていないのに対策の現状維持はあり得ない。

 今のままでいくと、どこかで緊急事態宣言という刀を振らなければならなくなるが、その前にもっと強い手を打つべきだと個人的には思っている。

 ――強い手とは?

 宣言を「出す」ための条件を…

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