瑛人の「香水」 記号学者は「現代的プロレタリアかも」
聞き手・寺下真理加
石田英敬・東京大学名誉教授に聞く「香水」
「ドルチェ・アンド・ガッバーナの その香水のせいだよ」というサビが印象的なヒット曲「香水」。31日のNHK紅白歌合戦では、初出場の瑛人さんが歌います。若者たちが親しむ動画アプリなどで話題になって、今年を代表するヒット曲の一つとなりました。記号学者の石田英敬さんに、流行の背景を分析してもらいました。
――独特のサビですよね。でもいま、香水をつけている人自体、減っている印象なんですが、なぜヒットしたのでしょう。
音と歌詞との相乗効果です。「ドルチェ・アンド・ガッバーナ」という本来の音と、曲の拍に対する、言葉の置き方のレート、比率が合っていないですよね。合っていないことの効果。それにより、ブランド名が前景化する、目立つ、強調されるわけです。
第一に重要なのは、この歌詞の物語が、ポップスの王道の一つだったことです。若い頃に交際していた女性との楽しい時間を振り返り、再会した今は当時と状況は違っている、という。
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2番目に重要なのは、作った…
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