美の先端、ジェンダーはもう溶けた 雑誌編集局長の視点
聞き手・伊藤恵里奈 編集委員・北郷美由紀
エルグループ編集局長・坂井佳奈子さん
世界45カ国・地域で発行する雑誌「ELLE(エル)」の情報網の中にいて、ジェンダーの問題は世界中で同じようにふりかかっている実感があります。なかでも日本の状況は深刻なのに、危機感がまひしているように思います。
経済成長を効率よく達成するため、男性に残業も転勤もいとわず働いてもらう。そのために作られた仕組みを、今も続けているからではないでしょうか。
私は2人目の子どもを妊娠したらママさん雑誌に異動となり、最初に勤めた出版社を辞めました。2年ほど家庭に入っていた時の行動範囲は公園とスーパー、薬局。社会から断絶されてつらかった。再就職の時の「働きたい!」という気持ちが今も続いています。
2020年、エルのデジタル版と4つの雑誌を統括する編集局長に就任した坂井さん。コロナ禍で人々の働く環境が一変する中で、ジェンダーの視点からも「良い兆し」が見え始めたといいます。
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ファッションの先端ではもは…
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