箱根駅伝、スポンサーロゴ解禁 原監督「時代がきた」

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照屋健 辻隆徳
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 正月の風物詩、東京箱根間往復大学駅伝競走箱根駅伝)で、各大学のユニホームに今回からスポンサーのロゴが入れられるようになった。広告費に換算すると、十数億円とも言われる「モンスター級」の注目度を集める大会。箱根駅伝はどう変わるのか。(照屋健、辻隆徳)

 連覇を狙う青山学院大の胸には企業ではなく、「妙高市」のロゴが入る。

 青学大原晋監督は「多くの民間企業からオファーがあった」と明かす。だが最終的に選んだのは、原監督が就任した2004年から合宿地として毎年、訪れている新潟県妙高市だった。「東京からアクセスがよく、冬は温泉宿があって、スキーをやるのにはうってつけの場所。盛り上げる一助になれたら」と原監督は話す。

 駅伝の部活動は、年間約60日の合宿を行うなど多くの活動費が必要になる。原監督は約5年前から、箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟にスポンサー広告を認めるように働きかけていた。中国電力で営業職だった原監督は「競技は、『勝利』と『資金』と『普及』の三要素によって好循環が生み出される。ようやくこの時代が来た」。

 そもそもなぜ、今回の箱根駅伝からユニホームに民間企業のロゴを入れられるようになったのか。

 昨年、世界陸連による広告規定改訂に伴って、日本陸連でも新ルールを採用した。「40平方センチ、高さ5センチ以内」のロゴをシャツとパンツに1カ所ずつ同じスポンサー名を入れることが認められた。関東学連によると、25日時点で21チーム中13チームがロゴの使用を申請している。

 「お正月の2日間、何度も『妙高市』の名前を出していただけるとは」。妙高市の担当者は喜ぶ。スキーや温泉など観光産業が盛んな街だが、今年は新型コロナウイルスの影響で、観光客が例年の2割まで激減した。「冬のスキーシーズンに向け、いかに売り込めるかを考えていた。お正月に取り上げていただけるのはありがたい」

 市はクラウドファンディングで100万円を集めるなどしてスポンサー料に充てるが「広告を打とうと思えば数億円はかかる。それに比べれば安い」。

 東京オリンピック(五輪)マラソン男子代表の服部勇馬トヨタ自動車)らが輩出した東洋大は、伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」のロゴが入る。18年から麦茶を提供しており、その縁で採用が決まった。

 また、今年の全日本大学駅伝で3位に入った明大はサトウ食品の「サトウのごはん」が右胸に入る。同社によると、明大では駅伝前に、炭水化物をとって、エネルギー源となるグリコーゲンを体に蓄える食事法「カーボローディング」に「サトウの切り餅」を使っていたことなどが縁でスポンサーに決まったという。

 一方で、法大はあえて、スポンサー料をもらわず、ビルメンテナンスを手がける郵生(ゆうせい)(平塚市)の社名をつける。社長が法大卒業生だった縁で約20年前から支援を受けていた。坪田智夫監督は「結果が出ず、予算がないときも長年、寄付をしてもらっていた。最初の年は郵生さんに恩返しをしようと、現場や選手たちと相談して決めた」と明かす。

露出効果19億円「モンスター級の注目度」

 元電通社員で、箱根駅伝の広…

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