日本の魚が食べられなくなる 料理人も豊洲も動き出した

有料記事

栗田優美 編集委員・長沢美津子
[PR]

 水産資源の保護に目を向け、食文化を守っていこうという機運が、食の世界で高まっています。ミシュランガイドにもこうした取り組みへの評価が加わり、東京・豊洲市場でも魚の「価値観」が変わり始めています。

ミシュランの新たな「星」

 今月10日に2021年版が発売された「ミシュランガイド東京」。今回から、食の持続可能性に貢献する店に「グリーンスター」をつけた。食品ロスの削減、森林活性化、絶滅危惧種の保護などに力を入れる6店が星を得た。

 このうち、フランス料理「カンテサンス」(東京都品川区)、「シンシア」(同渋谷区)、「ラチュレ」(同)のシェフらは3年ほど前から、「シェフスフォーザブルー」という一般社団法人で水産資源を守る活動をともにしてきた。

 仕掛け人は、フードジャーナリストの佐々木ひろこさん(49)。魚がとれなくなっていること、漁師の収入が安定せず苦境に立たされていることを知り、料理人たちに「魚の使い手として何ができるか考えよう」と呼びかけた。

 それぞれが閉店後の深夜に集まっては、研究者や漁業関係の人らを招き、現況を学んだ。農林水産省の統計によると、日本の漁獲量は、ピークだった1984年の年1282万トンから現在はほぼ3分の1に減っている。温暖化や海の汚染、食生活の変化といった要因もあるが、乱獲の影響が大きいと考えられている。

 「特定の魚種が求められることも一因」と佐々木さんは話す。

ここから続き

 例えばノドグロ。本来はメス…

この記事は有料記事です。残り1217文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら