ドイツ帝国時代の王宮、復元 旧植民地の文化財も展示

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ベルリン=野島淳

 戦争や東西分裂など歴史の荒波にもまれたドイツ帝国時代の王宮がベルリンで「復元」された。かつてのバロック様式の外観を再現し、内部の博物館や美術館では欧州以外の文化に目を向ける狙いで、アフリカやアジアなどの約2万点の文化財を展示する。近接する大聖堂や博物館とともに、ドイツの新たな文化発信地として注目されそうだ。

 「フンボルトフォーラム」と名付けられ、16日にオンラインで開業の催しがあった。約4万2千平方メートルの敷地にドームをいただいて立ち、研究機関なども入る。最上階の5階には、市街が一望できるレストランがある。来年から順次開業する予定だ。

植民地から持ち帰った彫刻に批判も

 展示品のなかには、旧ドイツ帝国など欧州の大国が植民地にしたアフリカの国から持ち帰った彫刻品などもあり、「返還するべきだ」との批判も起きている。グリュッタース文化相は「フンボルトフォーラムは植民地時代の文脈から文化財を扱う点で、ドイツの模範になるべきだ」と語り、あえて帝国時代の「負の歴史」を見つめる考えを強調した。

 建物は「博物館島」と呼ばれ…

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