民泊仲介サイト・エアビー 旅行減なのに時価9兆円の謎

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サンフランシスコ=尾形聡彦
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 民泊仲介サイト世界大手の米Airbnb(エアビーアンドビー、本社・サンフランシスコ市)が10日、米ナスダック市場で新規株式公開(IPO)を実施した。10日の終値は、想定の2倍以上の144・71ドルで、時価総額は865億ドル(約9兆円)。一気にホテル大手のマリオットやヒルトンを突破した。エアビーは35億ドルを調達し、今年最大のIPOになった。コロナ禍で旅行需要が減少するなかで、何が起こったのか。

 10日のナスダック市場では上場初日のエアビー株への買い注文が殺到し、なかなか初値がつかなかった。

 初値の想定価格は、139ドル、145ドルとどんどんつり上がる。サンフランシスコ市の自宅で、米テレビのインタビューを生中継で受けていたエアビーのブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)自身が、140ドル近くになった想定価格を聞かされ、「その数字は初めて聞いた」と驚いた様子で、「恐縮しています」と話した。

 米東部時間の午後1時すぎになってようやくついた上場初値は、146ドル。同社が前日に設定した強気の売り出し価格68ドルを、2倍以上も上回る数字だった。

 10日の終値は144・71ドルで、時価総額は865億ドルに上る。この数字は、ホテル大手のマリオット(427億ドル)、ヒルトン(297億ドル)を大きく上回る。米小売り大手のターゲット(863億ドル)や、世界的な金融大手のゴールドマン・サックス(841億ドル)に匹敵する額だ。

コロナ禍なのになぜ過熱?

 そこまでエアビー株が買われたのはなぜなのか。

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 米市場で語られているのは…

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