森友問題めぐる自死、報告書を妻に開示 改ざんは触れず

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遠藤隆史
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 学校法人森友学園大阪市)を巡る財務省の公文書改ざん問題で、自死して公務災害を認定された近畿財務局(近財)職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(49)に対し、国側が7日付で、公務災害の認定理由をまとめた報告書などを開示した。同省による改ざんの指示や赤木さんの関与についての具体的な記述はなく、雅子さん側は「赤木さんが残した遺書にも矛盾する、事実に反する内容だ」と批判している。

 雅子さんの代理人弁護士によれば、改ざんを強制されて夫が自死したとして国などを相手取った損害賠償請求訴訟の中で、この文書が開示されたという。

 開示された文書は、報告書などの公務災害に関わる568ページの資料。報告書では赤木さんが亡くなるまでの経緯について、森友学園への国有地売却が社会問題になって以降、「連日にわたる国会からの資料要求や行政文書の開示請求への対応などで深夜に及ぶ超過勤務が慢性化」、「財務省における決裁文書の書き換えにかかる報道により、批判報道の過熱を見聞きするなかで精神的に追い詰められ」などと当時の赤木さんの勤務状況や精神状態、体調などが記されている。

 赤木さんの遺書や手記には「(改ざんに)関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました」「最後は下部がしっぽを切られる」などと書かれていた。一方、今回開示された報告書には、当時の赤木さんの業務内容として「上級官庁との連絡調整、指示事項への対応」という記述はあるが、具体的な改ざん行為への関与を示す記述はなかった。同省が改ざんを指示したことについても触れていない。

 雅子さんの代理人の松丸正弁護士は「報告書には改ざんの『か』の字もない。事実に反する内容だ」と批判する。

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 赤木さんの公務災害に関する…

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