津ぎょうざ、コロナ禍で育んだ郷土愛 B1優勝から1年

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佐々木洋輔
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 津市のご当地グルメ「津ぎょうざ」が、まちおこしの祭典「第11回B―1グランプリ(B1)」で最高賞となるゴールドグランプリ(優勝)を獲得してから1年が過ぎた。観光資源に乏しいといわれる津市だが、出場6回目で悲願の日本一を獲得。それを追い風に、観光客の市内への集客と、県外各地でのさらなるアピールを当て込んでいた。だが、折しも新型コロナウイルス感染拡大の逆風が襲った。津ぎょうざの関係者がたどったこの1年とは。

 11月上旬の秋晴れとなった休日の昼、伊勢神宮のある伊勢市につながる国道23号から、津市中心部に約300メートルほど入った場所にあるラーメン店「いたろう」。その駐車場には、愛知県関西地方のナンバーの車が並んでいた。さらに路上には駐車場の空きを待つ車も。彼らのお目当ては津ぎょうざだ。

 店長の森正章さん(53)は言った。「もし津ぎょうざがなかったら、今ごろ店をたたんでましたよ」

 「いたろう」は津ぎょうざが正式に誕生した2008年から提供している店舗のひとつ。もともと売り上げにはさほど貢献することもない、まちおこしのためのメニューだった。しかし、昨年のB1で優勝すると、伊勢神宮への参拝の行き帰りに、「試しに食べてみよう」と立ち寄る人が増えた。県外客のほぼ100%が津ぎょうざを注文する。もちろん主力メニューのラーメンもよく出て、店にとってはほくほく顔だ。

 〈津ぎょうざ〉 直径15センチの皮を使ったジャンボ揚げぎょうざ。具材は自由。2008年、市民団体が「津まつり」で販売したところ、完売する人気だったことからご当地メニュー化した。10年、市民と取扱店の関係者らが津ぎょうざをPRする団体「津ぎょうざ小学校(津ぎょ小)」と、提供店による団体「津ぎょうざ協会」の2団体を設立。現在は、協会公認のラーメン店、居酒屋パン屋など津市内の約30店舗で提供されている。給食メニューに由来することから、津ぎょ小メンバーはPRイベントに、半袖、短パンの体操服姿のコスプレで参加することが恒例化している。

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 こうした経済波及効果はばか…

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