ジェンダー政策、若者から要望 「多様な性、想定して」
今後5年間のジェンダー平等へのとりくみをまとめた第5次男女共同参画基本計画が決まるのを前に、若者たちが政治家に声を届ける動きが活発化している。計画策定にあたり、若い世代から寄せられた1千件以上の意見をもとに担当大臣に提言を出した若者グループが3日、国会内で集会を開き、選択的夫婦別姓の実現や性教育の充実、理系分野への女性の参画拡大などを訴えた。
集会を開いたのは、学生団体やNPOなど32の団体・個人が賛同し、7月に発足した「#男女共同参画ってなんですか」。
政府が第5次計画への意見を募っていたパブリックコメントに投稿するよう若者らに呼びかけ、30歳未満の若者らから集まった1千件余の意見をとりまとめて9月、「ユース(U30)提言」として橋本聖子男女共同参画相に手渡した。
集会で、代表の桜井彩乃さん(25)は各党議員らに「選択的夫婦別姓や同性婚、性教育の充実、就活セクハラをなくす対策などを求める声が数多く寄せられた。でも、第5次計画を話し合う調査会のメンバーに若者はいない。今後5年間の計画は若者に大きく影響する。リアルな声を届けるために提言を出した」と説明。提言作成にかかわった20代のメンバーらも、「科学技術分野への女性の参画拡大は急務。AIなど、担い手の偏りがアウトプットの偏りにもつながる構造は政治と同じ」「基本計画は男女二元論ではなく、多様な性を想定したものにしてほしい」などと訴えた。
同グループは2日にも、橋本氏と面会。選択的夫婦別姓の導入を求める3万人超の若者らの署名を手渡した。
ネット署名を始めたのは11月27日。今月内に閣議決定される第5次計画で、同制度の導入についての書きぶりが第4次計画より前向きになることに、自民党内の一部から根強い反対論が出ており、それに危機感を持ったという。
橋本氏は署名と寄せられた意見を見ながら、「何とかしてあげなければいけないと思う声ばかり。みなさんの声を大事に受け止めて、解決していくのは政治の責務だ」と応じた。
高まる緊急避妊薬のニーズ
さまざまな提言や要望のなかでも、若い人たちがとりわけ切実に求めてきたことの一つが、望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬の市販解禁だ。その声を反映し、市販解禁を検討することが、第5次計画に初めて盛り込まれる見通しとなった。
緊急避妊薬は、性交から72…
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