菅首相の答弁 記者サロンでファクトチェックすると…

有料記事

南彰
【動画】記者サロン「臨時国会をファクトチェック」の様子
[PR]

 政治家の発言や社会に広がる情報などの真偽を検証する「ファクトチェック」。朝日新聞社は先月、オンラインイベント「記者サロン 臨時国会をファクトチェック」を開いた。日本でファクトチェックを推進するNPO「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」副理事長の立岩陽一郎氏と法政大教授の上西充子氏と一緒に、菅政権で初となる臨時国会の論戦などを検証した。

 ファクトチェックは、市民が正確な情報を共有するためのジャーナリズムの手法だ。米国では専門の政治ニュースサイト「ポリティファクト」が2008年の米大統領選の報道でピュリツァー賞を受賞している。

 先月の米大統領選を現地で取材した立岩氏は、米国ではテレビ局などにファクトチェック専門の担当者がいて、リアルタイムで取り組んでいることを紹介。「トランプ大統領の発言があまりに容易にわかるうそで、(社会の分断を招く)かなり危険なうそだったため、非常に重きが置かれている」と解説した。

 イベントでは、「正確」から「虚偽」まで9段階で評価するFIJの判定基準を使って、菅義偉首相の臨時国会での発言などをファクトチェックした。

 日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した問題で、首相が6人を含む105人の推薦名簿を「見ていない」という発言を検証した。10月のインタビューや11月2日の衆院予算委員会で「見ていない」と述べていた。

 ところが、同月4日になって、決裁前に杉田和博官房副長官から報告を受け、6人の除外を認識していた、と説明し始めた。

 立岩氏は「6人を外したという極めて重要な情報をあえて省いている」と指摘。一見事実と異なることは言っていないが、重要な事実の欠落などにより誤解の余地が大きい場合の「ミスリード」と判定した。

ここから続き

 立岩氏は「日本は一刀両断に…

この記事は有料記事です。残り544文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません