マスクつけた踊り手に「なぜか涙が」 阿波踊り、探る姿

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伊藤稔
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 新型コロウイルス対策の検証を兼ねた徳島市阿波踊りの実証イベントが22日、2日間の日程を終えた。踊り手は密にならぬよう間隔を空けて演舞し、観客もマスク着用を求められるなど、ウィズコロナ時代に対応した新たな阿波踊りのあり方を模索した。

 踊り手は団体や連(れん)(グループ)ごとに様々な工夫を試みた。21日は県阿波踊り協会の約160人が登場。マスクやマウスシールドなどを着け、かけ声も控えた。笛の担当者はフェースシールドのすき間から吹いた。協会の岡秀昭副会長(79)は「かけ声がないと乗りにくく、気分を高めにくかった。徳島から阿波踊りを除くと何もなくなってしまう。来年は(例年通り)4日間開催してほしい」。

 別の連は全員マスク姿で踊った。太鼓の田渕大輔さん(45)は「夏にマスク姿で踊るのは暑さもあって苦しく、無理かもしれない。早くコロナが収まってほしい」と話していた。

 一方、22日に出演した阿波おどり振興協会の踊り手ら約330人は演舞の間だけマスクなどを外した。「やっとさー」などかけ声も上げたが、対面で声を上げるようなパフォーマンスは控えた。振興協会の山田実理事長(67)は「連員の一人一人がきっちり感染対策をした。間隔を空けて踊るなど、できることを工夫してやっていくしかない」と語った。

 観客は入り口で検温を受け、桟敷席の間隔を空けて着席。声援は控えるよう求められ、時折拍手を送った。吉野川市の女性(58)は「マスクやフェースシールドを着けた踊り手さんを見て、なぜか涙が出ました。そんなものを着けず踊れるようになればいいのに」。広島市から訪れた男性(60)は「初めて見たので迫力があって感動した。きょうは席の間隔があったが、本番で身動きがとれなくなるほど人でごった返したら不安」と話した。

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