ショーン・コネリー、「007」の呪縛と闘った俳優人生

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聞き手 編集委員・石飛徳樹
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 今も続くスパイ映画「007」シリーズで、初代ジェームズ・ボンドを演じた英国の俳優ショーン・コネリーさんが、90歳で死去した。コネリーさんの俳優人生について、「いつか読書する日」などの緒方明監督が語った。

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  英国の俳優にはシェークスピア劇が出来る人が多いけれど、ショーン・コネリーはそんなエリート舞台人ではありませんでした。若い頃は様々な職業に就き、肉体派として頭角を現した。彼の映画を見ていると、そこにコンプレックスがあったのではないかと思えてなりません。

 デビューから数年で、彼は「007」シリーズのジェームズ・ボンド役に抜擢(ばってき)されます。第1作の「ドクター・ノオ」(1962年)はそこそこのヒットでしたが、第2作の「ロシアより愛をこめて」(63年)以降、ボンドは一世を風靡(ふうび)していきます。

ヒットするにつれ、「007」が嫌に

 面白いことに、コネリーは007の人気が上がるにつれ、007が嫌になっていくんですね。第5作「007は二度死ぬ」(67年)のロケで日本に来た時、彼は会見で007からの引退を表明。世界を驚かせます。

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 ところが、2代目ボンド、ジ…

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