第6回「オウム」も永久保存を 知らぬ世代、出回る虚偽の言説

有料記事訴訟記録はなにを語る

奥山俊宏
[PR]

 オウム真理教の代表は地下鉄サリンなど13の事件を起こし、27人を死なせた。刑事裁判でそのように事実が認定され、私たち多くの人がそれを真実だと思っている。

 しかし、公安調査庁によれば、オウムの後継団体「アレフ」は「地下鉄サリン事件などは教団以外の者による陰謀」と主張。インターネット上には「CIAのでっち上げた事件ではないか」などの主張が見られる。

 ジャーナリストの江川紹子さん(62)は危機感を抱く。「時が経てば経つほど、このような虚偽の言説が出回り、事件を知らない世代がそれを受け入れてしまう可能性も高まる。それは、新たなテロをも辞さないカルト集団が形成される土壌になりかねない」

 2018年4月26日、江川さんらは法務省に請願した。

 「このような事態を防ぐためにも、適正な手続きによって収集された証拠や、公開の法廷で行われた供述が記録された、最も信頼性の高い裁判記録が保存され、必要な場合にそれが利用できる状況にしておくことは、極めて重要」

 江川さんらに触発され、私は記者として二つの行動を起こした。

 一つは検察庁が相手だった…

この記事は有料記事です。残り839文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら