カプコンへのサイバー脅迫 記者はちらつく影を追った
ゲーム大手カプコン(大阪市)がサイバー犯罪グループから脅迫を受けている。盗まれた機密情報と引き換えに、多額の金銭を要求されているのだ。11日朝以降、情報の一部とみられるファイルが公開された。
サイバー犯罪グループとは一体、何者なのか。取材を進めると、「ビジネス」と化した世界規模の犯罪ネットワークの存在が浮かび上がった。
役割ごとに人材募集
「REvilアフィリエイトプログラム」――
NTTデータのセキュリティー専門家、新井悠さんが示した画面には、ロシア語で書かれた掲示板のメッセージが映し出された。カプコンを脅迫する犯罪グループと同様、「ランサムウェア(身代金ウイルス)」を使って企業や組織を脅迫するグループの一つ、「REvil(レビル)」が人材を募集している書き込みだという。
掲示板では海外メディアの複数の記事を引用し、自らの「成果」をアピールしていた。英国に本部がある大手両替商「トラベレックス」が身代金ウイルスに感染し、30カ国に向けたウェブサイトが停止したトラブルが発生。このグループが600万ドル(日本円で6億3千万円)を要求しているという今年1月の英BBCの記事などを掲示板に掲載した。
この攻撃を仕掛けていたのが、レビルだった。
「成功と実りのある1年が続き、私たちは一般募集を更新することにした」
レビルの首領だという人物は、動画配信サイトユーチューブでもメッセージを発信していたという。「企業や組織への侵入」「身代金の交渉」「公開用ウェブサイトの運営」などと役割分担を決め、常に優秀な人材をスカウトしていると語っていた。
実入りの話も興味深かった。
分業制になり、より大規模な…
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