首相の初外遊に同行 感じたのは内政への「熱」との落差

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経済部・伊沢友之 伊沢友之
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 ベトナムインドネシアを10月18~21日に訪れた菅義偉首相の初外遊を同行取材した。新型コロナウイルスの感染が世界各地で続き、首脳往来が停滞するなかの外国訪問で、訪問先の要請に基づく感染防止対策がとられた。

 インドネシアのジョコ大統領との首脳会談は互いにマスクを着け、透明のアクリル板とみられる仕切り越しに進んだ。同国の要望で共同発表後の握手はしなかった。大統領夫妻主催の夕食会に出席した官邸幹部によると、給仕の人を減らすため、各自の席の脇に食洗機のようなものが置かれ、食器やカトラリーを自分で取り出して使ったという。

 ベトナムでも会談した要人と握手せず、ひじタッチにとどめるなどの場面があった。ある官邸幹部は、日本帰国前までにPCR検査を3回受けたという。首相外遊時の相手国との調整はいつもギリギリまで行われ大変だが、今回、外務省職員からは「コロナ禍で調整の手間はいつもの2倍以上」との声も聞かれた。

記事の後半では、コロナの対策に追われた同行取材の様子を詳しくお伝えします。

 手間がかかった初外遊の成果をどう評価するかは難しい。海洋進出で中国の影響力が強まる東南アジア諸国連合(ASEAN)の地域で、日本の存在感を示し、関係を深める意味はある。経済面でも、ベトナムにはユニクロの衣料品をつくる工場が40カ所以上あり、インドネシアの自動車市場の大半はトヨタ自動車をはじめとする日系が占める大事な場所だ。コロナ禍で中国依存があらわになった日本の医薬・医療品の生産・供給網の分散を今後進めるなら、両国を含むASEAN地域が有望な場所であることは間違いない。

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 ただ、外遊中の菅首相からは…

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