任命拒否、官僚トップと相談 記録文書の存在も発覚

有料記事日本学術会議

大久保貴裕 小林豪
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 日本学術会議の任命拒否問題をめぐり、菅義偉首相は5日の参院予算委員会で、官僚トップの杉田和博官房副長官と相談しながら6人の除外を判断するまでの経緯を説明した。政府内で6人を除外する過程を記録した文書の存在も発覚。野党側は杉田氏が今回の判断に深く関わったとみて国会招致を求めている。

 この日の質疑では、学術会議が提出した会員105人分の推薦名簿について、「見ていなかった」と話す首相が、どのように6人除外の判断をできたのかについて、立憲民主党蓮舫氏が問いただした。

 首相は、学術会議の人事について、「懸念」を安倍政権官房長官時代から杉田氏に伝えていたと説明。「9月16日の首相就任後に、官房長官と杉田副長官に改めて懸念を伝え、杉田副長官からその後相談があり、99人任命の判断をした」と述べた。

 首相は杉田氏から報告を受けた時期について、内閣府が決裁文書を起案した同月24日の直前の「9月22日か23日」と明かした。蓮舫氏から「(任命は)99人で、6人を外したという相談があり、『それでいい』と判断したのか」と問われると、「その通りだ」と述べた。首相は同月28日に最終的な決裁を行っている。

 5日の委員会では、6人の除外が決まる過程を記録する文書の存在も明らかになった。

 蓮舫氏は「(6人を除外した任命案が)起案されるまでの過程の公文書はあるか」と質問。加藤勝信官房長官は「杉田氏と内閣府とのやりとりを行った記録について、内閣府が管理している」と存在を認めた。野党側は提出を求めたが、加藤氏は「今後の公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼす恐れもある」として拒否した。

 首相は2日の衆院予算委で…

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