【詳報】1万7千票差、再びNO 松井氏「私の力不足」

大阪都構想

【ノーカット動画】「2020選択 #ぶっちゃけ都構想FINAL」
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【都構想タイムライン】

 大阪市を廃止し、四つの特別区に再編する「大阪都構想」の是非を問う住民投票が1日あり、反対多数で市の存続が決まった。有権者は日本国籍を持つ市内に住む18歳以上の約223万人で、投票は午後8時まで。開票作業は午後9時から市内24カ所で行われた。この日の動きを、時系列のタイムラインで追った。

午後7時50分から「2020選択 #ぶっちゃけ都構想 FINAL」と題したライブ動画を配信しました。朝日新聞記者が開票結果の分析や国政への影響を解説したほか、維新の松井一郎代表の会見なども収録しています。ぜひご覧ください。

1:10

開票結果が確定 

大阪都構想の住民投票の開票結果が確定した。約1万7千票の僅差(きんさ)で反対多数となった。

賛成675,829、◎反対692,996(確定)

1:07

大阪商工会議所の尾崎会頭「ノーサイド」 

 大阪商工会議所の尾崎裕会頭は、大阪都構想の住民投票結果を受けてコメントを発表した。「現在の体制の下で、大阪の成長・発展を追求すべきという市民の判断が下された。しかし、現在の制度に課題がないというわけではなく、都構想の議論をもとに、大阪の未来のために必要な改革は実行していかなければならない」とし、「コロナの制圧と経済回復、大阪・関西万博の準備など時間的な制約のなかで対応が必要な課題も多くあり、賛成派・反対派もノーサイドの精神で知恵を出し合い、課題解決をめざさなければならない」と指摘した。

0:52

吉村氏がツイッターに投稿 

「自分の力は出し切りましたが、結果は及ばずでした。全ては僕の力不足です。申し訳ありませんでした。また、悩んで反対に投じた方も多くおられたと思います。全ての大阪市民の皆様に感謝申し上げます」などとつぶやいた。

0:30

松井氏がツイッターに投稿 

「皆さん、本当にありがとうございました。感謝感謝感謝です」とつぶやいた。

23:40

開票率98%の結果 

賛成667,283、◎反対678,813(全市・開票率98%)

23:10

れいわ・山本代表「多くの市民が気づき、動いた」 

 反対多数が確実になったことを受け、れいわ新選組山本太郎代表は取材に対し、「大阪で10年間にわたって進められてきた新自由主義的な社会実験のなかで、大阪市を廃止し、分割することでとどめを刺すのが都構想だった。私たちにできることは都構想に賛成を求める側の説明不足を補うことだけだった。有権者のなかには政治にあきらめがあった人もいたと思う。でも、取り返しのつかない事態になることに多くの市民が気づき、動いた。それが勝因だ」と語った。

23:05

公明「党としても厳粛に受け止める」 

 公明府本部の佐藤茂樹代表は維新との共同会見で「党としても厳粛に受け止める。結果を踏まえ、さらに大阪がどうすれば発展するかを検討する。大事なのはしこりを残さないこと。それぞれの意見をしっかり聞いて、全体として発展していくように頑張っていく」と述べた。

23:01

関西経済同友会・古市代表幹事がコメント 

 1日の大阪都構想の住民投票で反対多数が確実となったことを受けて関西経済同友会の古市健代表幹事はコメントを出し、「自治体の在り方を住民自身が選択した点で今回の住民投票は大きな意味を持つ。従来の延長ではなく、住民投票プロセスにおける議論や住民の声を踏まえ、真摯(しんし)に修正すべきは修正して行政の質を高め、住民の暮らしが更に豊かになるようサービス向上に努めてほしい」と要望。「将来の大阪の成長戦略を明確に描くことが重要となる。大阪府と大阪市が住民目線に立って緊密に連携し合い、大阪の経済を発展させ、『世界の中の大阪』としてのプレゼンスが高まることを期待する」とした。

23:00

反対多数が確実 松井氏「けじめつけねば」 

 大阪市を廃止して四つの特別区に再編する大阪都構想の是非を問う住民投票が1日行われ、僅差(きんさ)での反対多数が確実となった。前回2015年に続く否決。大阪維新の会代表の松井一郎市長は23年4月の任期満了で政界を引退すると表明した。当日有権者数は220万5730人、投票率は前回を4・48ポイント下回る62・35%だった。

 松井氏は1日夜に記者会見し「けじめをつけなければならない」と政界を引退する考えを示した。吉村洋文代表代行(府知事)は「僕が都構想に挑戦することはない」と述べた。維新は党のリーダーと看板政策の都構想を同時に失った。

 松井氏は菅義偉首相との関係が良好で、代表を務める国政政党・日本維新の会は政権に協力的な姿勢もとってきた。今回の結果が国政にも影響を及ぼす可能性がある。

 住民投票では、人口約270万人の大阪市を約60万~75万人の四つの特別区に再編する制度案への賛否が問われた。大阪市が持つ都市開発やインフラ整備などの権限を大阪府に一元化し、特別区は教育や子育て支援など身近な住民サービスにあたる構想。今回の否決で都構想は廃案となり、大阪市は存続する。

 反対派の自民党共産党などは、特別区の財政収支見通しに新型コロナウイルスの経済への影響が反映されていないことなどを問題視。特別区が収支不足に陥り、住民サービスが低下する恐れがあるとして、政令指定市としての大阪市の存続を訴えた。賛成派の維新と公明党は、府と市の権限が重なり合う「二重行政」の解消が経済成長につながり、特別区への再編で住民サービスも充実できると訴えてきた。

 都構想の是非を問う住民投票は2度目。前回は反対70万5585票、賛成69万4844票の約1万票の僅差で否決され、当時の維新代表で大阪市長だった橋下徹氏が政界を引退した。前回と異なり、公明党が賛成に転じて山口那津男代表が大阪入りして維新と街頭演説に立つなどテコ入れを図ったが、改めての否決となった。

23:00

松井代表、任期満了後の政界引退を表明 

 維新の松井代表が北区のホテルで記者会見。冒頭、「二度目の敗北。私の力不足。民意を受け止めて大阪市の発展に全力を尽くしたい。賛成反対、それぞれ悩みに悩むような問題提起ができたことは政治家冥利(みょうり)に尽きます」と述べた。記者の質問に答え、大阪市長の任期満了後に政界を引退すると表明した。

22:51

関経連・松本会長「長年の懸案、ひとまず決着」 

 関西経済連合会の松本正義会長は1日、大阪都構想の住民投票で反対多数が確実になったことを受け、「長年の懸案についてひとまず決着をみたが、これまで大阪府・市が進めてきた二重行政の解消、大阪の成長戦略については、今後もしっかりと取り組んでいただくよう期待する」とし、「2025年大阪・関西万博の準備については、これまでどおり府市一体となって全力を挙げていただきたい」とのコメントを出した。

22:50

歓喜のREAL OSAKA 

 連合大阪やNPOなどでつくる団体「REAL OSAKA」。テレビ中継で反対多数確実の速報が流れると、大阪市北区の事務所はスタッフらが歓喜の声を上げた。代表の田中誠太・前大阪府八尾市長は顔を紅潮させ、「皆さんの取り組みが市民に届いた」と述べた後、「市民の分断はよくない。(賛否で)遺恨が残らないように、ふるさと・大阪の発展のためにがんばりましょう」と話した。

22:50

立憲民主・枝野代表「一度同じ結果が出たにもかかわらず…」  

 立憲民主党枝野幸男代表は1日、大阪都構想の是非を問う住民投票で反対多数が確実となったことを受け、「大阪の市民のみなさんの選択は大変重い。一度同じ結果が出たにもかかわらず、コロナ禍に、こうした(住民投票という)手続きを踏んだことに対しては厳しい指摘をせざるをえない。住民のみなさんの意思を重く受け止める」とコメントした。

22:42

反対多数が確実に 

大阪都構想の是非を問う住民投票が開票され、反対多数で大阪市の存続決定

22:41

開票率73%の状況 

賛成495,469、反対508,342(全市・開票率73%)

22:40

港区が確定 

港区(確定)賛成18,491、反対24,527

22:30

開票率56%現在の賛成・反対の票数 

賛成386,797、反対378,430(全市・開票率56%)

22:20

浪速区が確定 

浪速区(確定)賛成13,294、反対12,435

22:10

開票率19%現在の賛成・反対の票数 

賛成132,794、反対122,935(全市・開票率19%)

21:20

投票率は62.35%、前回66.83%を下回る 

 大阪都構想の是非を問う住民投票で、大阪市選管は投票率(確定)を発表した。62.35%と前回66.83%を下回った。当日有権者数は220万5730人。

21:00

開票始まる 

 大阪都構想の是非を問う住民投票が1日に行われ、同日午後9時から市内24カ所で開票作業が始まった。同日中に結果が出る見通し。賛成多数になれば、大阪市は廃止され、四つの特別区に再編される。特別区の設置は2025年1月1日。

20:30

自民・北野市議団幹事長「生きた心地がしない」 

 都構想への反対を訴えてきた自民党大阪市議団の北野妙子幹事長は1日午後8時半ごろ、民放のネット番組に出演し、「生きた心地がしない」と開票結果を待つ心境を語った。「(運動が)始まった当初は気力を失うくらい(賛成との)差があった。ここまで五分五分の所まで来ることができた。いい戦いができたのではないか」と振り返った。

20:00

投票終了 

 20:00 投票終了。

20:00

賛成・反対ほぼ並ぶ 朝日新聞出口調査 

 1日に行われた大阪都構想の賛否をめぐる住民投票について、朝日新聞社は同日、投票を済ませた有権者を対象に出口調査を実施した。激しい競り合いを反映し、賛否はほぼ並んでいる。

 5年前の前回住民投票では、僅差で反対多数となった。前回と比べて変わったのは公明支持層と無党派層だった。公明支持層の賛成が前回の2割程度から今回は5割近くに増える一方で、無党派層の反対は5割台から6割台に増えた。

 都構想に賛成している日本維新の会の支持層は賛成が90%。前回の維新の党支持層の97%に比べ、やや減った。

 前回は反対したが、今回は賛成に回った公明党の支持層は賛成46%(前回21%)、反対54%(同79%)。賛成は増えたものの、反対を超えなかった。

 一方、都構想に反対している自民党の支持層の賛成は37%(同42%)、反対は63%(同58%)だった。立憲民主支持層、共産支持層はともに反対がほぼ9割だった。

 無党派層は今回は賛成が39%(同48%)で、反対が61%(同52%)だった。前回も反対が賛成を上回ったが、今回はその差を広げた。

 男女別に見ると、前回と同様、今回も女性の方が男性より反対する人が多かった。

 年代別では、20~50代は賛成が、60代以上では反対が、それぞれ5割を超えた。70歳以上では反対が61%にのぼった。

 調査は大阪市内60カ所の投票所で実施した。有効回答は2948人だった。

午後7時現在の投票率、前回より5ポイント低く

 大阪都構想の是非を問う住民投票で、大阪市選管は午後7時現在の投票率を発表した。40.34%と前回45.41%よりも5.07ポイント下回っている。当日有権者数は220万5730人。

18:00

れいわ・山本太郎代表「投票に行かないのはリスク」 

 れいわ新選組の山本太郎代表は午後6時ごろ、大阪市東住吉区のUR団地の一角で「投票に行かないのはリスクでしかない。大阪市のオーナーはあなたたち市民だ。あと2時間しかないが、1票でも反対が上回るためにここに来ました。力を貸してほしい」と訴えた。

午後5時現在の投票率、前回を依然下回る

 大阪都構想の是非を問う住民投票で、大阪市選管は午後5時現在の投票率を発表した。34.47%と前回38.81%よりも4.34ポイント下回っている。当日有権者数は220万5730人。

15:45

立憲民主・尾辻衆院議員「公園で遊んだ後は投票に」 

 都構想に反対する立憲民主党の尾辻かな子衆院議員は、地元・東住吉区内の公園の入り口で演説。子どもと公園に来ている親らに向け、「政令指定市だから、子どもたちに住民サービスが拡充できている」と特別区移行への懸念を強調した。投票の締め切りがあと4時間あまりに迫ったことにも触れ、「最後のお願いです。1票でも賛成が上回れば大阪市はなくなってしまうんです。公園で遊んだら投票に行ってください」と訴えた。

午後3時現在の投票率は28.33%

 大阪都構想の是非を問う住民投票で、大阪市選管は午後3時現在の投票率を発表した。28.33%と前回32.48%よりも4.15ポイント下回っている。当日有権者数は220万5730人。

14:30

「賛成に入れたが不安」聴衆の声に松井氏は 

 大阪都構想を推進する大阪維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は午後2時すぎ、大阪市天王寺区の天王寺公園前で、期間中最後となる街頭演説に立ち、聴衆との質疑応答にも応じた。

 聴衆の男性が「賛成に入れたが、(政令指定市ではない特別区になっても)住民サービスは本当に下がらないのか」と不安を口にすると、松井氏は「住民サービスは政令指定市だからできるのではない。財源があるからできる」と理解を求めた。

 松井氏は夕方にかけて、苦戦が伝えられる市内の複数の区を車で回り、ぎりぎりまで賛成を呼びかけるという。

12:00

維新が街頭演説 「都構想が大阪の力発揮する」 

 大阪都構想を推進する大阪維新の会は正午過ぎ、大阪市中央区の南海難波駅前で吉村洋文代表代行(大阪府知事)と松井一郎代表(大阪市長)がそろって街頭演説した。

 難波駅前は維新が節目で演説を行う定番の場所。吉村氏は「都構想に賛成の1票をお願いします。大阪市と大阪府はどうしても二重行政になってしまう。絶対に都構想にした方が大阪の力を発揮できる」。松井氏は「次の世代の未来を作るのが大阪都構想。二度とバラバラにならない仕組みを作って次の世代に引き継ぐ」と訴えた。

正午時点の投票率は16.42%

 大阪都構想の是非を問う住民投票をめぐり、大阪市選管は正午現在の投票率を発表。16・42%と前回20・41%よりも3・99ポイント下回っている。

11:10

「大阪市なくすな」共産がプラカード 

 都構想に反対の共産党は朝から、市民団体とともに各投票所前で「大阪市なくすな」などと書かれたプラカードを掲げた。東淀川区の投票所前に立った40代の女性は、小学生を含む3人の子育て中。「共働きで子子どもが学童保育を利用しているが、特別区になって財源が減ったら真っ先に削られるのではないかと不安」と話した。

 投票所近くでは、長岡ゆりこ市議が「大阪市がなくなって特別区になれば職員も増え、経費が増える。いま提供できている子育て支援や医療費助成といった住民サービスにあてる予算も少なくなっていく。これは市民のみなさんにとって大問題」と訴えた。

11:00

公明党の国会議員らが賛成呼びかけ 

 午前11時、公明府本部代表代行の山本香苗参院議員と幹事長の土岐恭生市議が、大阪市鶴見区のスーパー前に集まった約40人の支持者らに、「一人でも多くのご賛同を」と賛成を呼びかけた。

 土岐市議は「前回の案と全然違うものになった。公明党の都構想になった」と強調。山本参院議員は「市民のみなさんの力を引き出す、新しい仕組みが必要。関西、日本経済を引っ張っていく大阪をみなさんと一緒に作りたい」と訴えた。

 公明は夕方まで府本部所属の国会議員らを中心に市内各地の街頭で活動し、電話やSNSでも賛成を訴える。

10:50

REAL OSAKA「市廃止、本当にいいのか」 

 大阪都構想に反対する連合大阪などでつくる政治団体「REAL OSAKA」では、この日朝からスタッフが大阪市内の事務所で街頭活動のコースをチェック。車3台を住宅街を中心に走らせ、有権者に「投票に行こう」と呼びかけた。4人1組のスタッフも「都構想にNO」と記したTシャツ姿で回った。

 団体は市の廃止・分割は市民にメリットがないと9月末に結成。コロナ禍の中、SNSによる情報発信も力を入れた。事務局次長の樋口伸介さん(52)は「本当に市を廃止していいのか。大切な1票をぜひ投じて」と話す。

10:30

自民党市議らがデメリット訴え 

 都構想に反対する自民党は朝から各地で活動をスタート。大阪市住吉区では午前10時半から、自民党府連の所属議員ら6人が2班に分かれて練り歩き、住宅街や投票所付近で都構想のデメリットを訴えた。

 党府連幹事長の多賀谷俊史・大阪市議は「大阪市廃止にNO!」と大きく書かれたのぼりを掲げ、「大阪市を廃止することは必ず住民サービスの低下を招く」「皆さんの1票が皆さん生活を、大阪市を守ることになる」などとマイクで呼びかけた。

9:00

投ヒョウ号が発進 

 午前9時ごろ、大阪市民に投票を呼びかけるヒョウ柄の電気自動車「行こう!投ヒョウ号」が大阪市役所から出発。計8台が市内4カ所から次々と繰り出した。

 投票の「票」と動物の「ヒョウ」を掛けたもので、1人乗りの電気自動車の車体にヒョウの写真をラッピング。市から委託を受けた宣伝カーの製作会社が、9月末から2週間ほどで完成させた。「とにかく目立つように」と市側から要望があり、細部まで打ち合わせを重ねたという。

 夕方まで2台1組で、約120カ所の投票所周辺を走り回る。

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