「あのゴミ」はリサイクル率98% 再生できる商品を

コーディネーター・中島隆
【動画】あの石が、あのゴミが資源になるなんて!
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 新型コロナウイルスの影響で、10月11~15日にオンラインで開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2020」(朝日新聞社主催)。コロナ危機と文化や循環型経済などについて討論した様子を、アーカイブ動画とともにお届けします。

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 「あの石が、あのゴミが資源になるなんて!」。パネル討論のタイトル、もったいぶっています。

 「あの石」。

 それは、石灰石のことです。埋蔵量は、日本だけでおよそ240億トン。リサイクルもできるため、この地球に、ほぼ無尽蔵にあります。その石灰石でつくった新素材「ライメックス」は、レジ袋や飲食店のメニュー表、スマホケースなどになっています。

 モデルの押切もえさん、そして、産廃処理会社である石坂産業社長の石坂典子さんに、実感してもらいました。メニュー表を手にした押切さんは「しっかりした紙ですね」。紙ではないと知って驚きます。

 スマホケースを持った石坂さんは「ふつうのより丈夫ですね」。プラスチックの代替として太鼓判を押しました。

 この新素材を開発、製造、販売するのがTBM(東京都)。代表取締役の山﨑敦義さんは「紙と違って水資源の乏しい国でもつくれる。これまでプラスチックをつくっていた施設でつくれる」と語ります。

 「あのゴミ」

 これは、ビルや住宅から出てくる建築廃材のことでした。それらを石坂さんの会社は処理しているのですが、リサイクル率は98%。「でも、処理には限界がある。ゴミのない社会づくりには、必ず再生できる商品づくりが必要です」

 ファッションをPRするモデルであり、一児の母でもある押切さんは、こんな決意を語りました。「何かを買うとき、生産者がどういう思いでつくっているかを確認しなくては」

実現のカギは、手と手を取り合うこと コーディネーター・中島隆

 パネル討論「あの石が、あのゴミが資源になるなんて!」では、山﨑さんは生産者、石坂さんは処理業者、押切さんは消費者として、それぞれの立場から話していただきました。

 私たちは循環型の経済を築き、ゴミのない社会をつくり、子どもたちに美しい地球を残さなくてはなりません。

 実現のカギは、手と手を取り合うことだと痛感しました。技術を共同開発し、行動基準を共有し……。そうそう、SDGsの目標の17番目に、こうありますものね。「パートナーシップで目標を達成しよう」(コーディネーター・中島隆)

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