「脚本」を診るドクター スタッフすら知らぬ究極の黒衣

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藤えりか
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凄腕しとごにん

スクリプトドクター 三宅隆太さん(48)

 「スクリプトドクター 三宅隆太」。公開中の映画「浅田家!」のエンドロールに、こんな一行が流れる。ハリウッドと違って日本では数少ない「脚本のお医者さん」だ。

 この仕事の存在が作品に刻まれること自体、極めてまれ。自身も脚本家として約400本の作品を手がける傍ら、「ドクター」として500件以上のプロジェクトに携わってきたが、この肩書でのクレジットは2回しかない。

 映画やドラマの脚本は、小説と違い「チーム戦」。最終稿までに多くの目を経て、幾度も手が加えられるのが常だ。結果、脚本家が各方面から「理不尽と感じる要求」を受けたり、プロデューサーも板挟みになって苦労したり。その原因を分析し、設定や構成を調整しつつ企画を前に進め、時には止める役割も果たすのがドクターの仕事だ。

 その仕事は、脚本家やプロデューサーらとの30分の面談で終わった例から、4年半寄り添った例まで様々。他のスタッフも知らないまま携わる場合も多く、「完全に守秘義務の世界。作り手をひそかに手助けする影の軍団の、さらに影の存在」という。

「完全に守秘義務の仕事」

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 「誰かが一方的に悪いわけで…

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