ライブもレースも熱い 横山剣、タフになって乗り越える

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聞き手・冨田悦央
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 クレイジーケンバンド(CKB)のリードボーカルで、作曲・作詞も担う横山剣さんは2020年、「還暦」を迎えました。コロナ禍にあっても音楽活動や、趣味のモータースポーツに注ぐ情熱は冷めることがありません。10月21日発売されたCKBの新アルバム、10月30日に15年ぶりに日本武道館で開くライブ、そして傾倒するクラシックカーレースへの飽くなき挑戦を語ります。

よこやま・けん 1960年、横浜市生まれ。81年「クールスR.C.」でデビュー。97年「クレイジーケンバンド(CKB)」を結成。作曲家としては和田アキ子、SMAPなどのアーティストの楽曲や、映画、テレビドラマの主題歌を提供。松任谷由実、ライムスターとのコラボなど多彩な音楽活動とともに熱烈なモータースポーツファンでも知られる。

夜と朝の間に、ひっそり生まれた音楽

 ――CKB20枚目のアルバム「NOW」は、ステイホーム期間中にできた曲がほとんどだと聞きました。

 コロナの時代を反映した質感、テイストがメロディーなり、メッセージに出てくる。コロナ禍に翻弄(ほんろう)されたことが、よくも悪くも出てくる楽曲が詰まっています。例えていえば、夜と朝の間に、ひっそり生まれた音楽です。

 ――作曲の過程は?

 「密」を避けて、横浜・本牧の自宅からマイカーを運転して、東京・初台の作曲・編集ルームまでやってきてつくっていました。断捨離でもしようとしたら、それどころか、懐かしい雑誌とか映画のDVDとかレコードとか、いろいろ出てきちゃって。片づかなくなって、てんやわんやに。

 その間、アラン・ドロン主演の映画を何作も見て、できたのが新曲「サムライ・ボルサリーノ」。コロナじゃなかったら、なかった。今まで体験したことのない状況の中に自分が置かれて、化学反応的に押し出されたものがあります。香港ノワール映画(裏社会や犯罪をテーマにした香港映画)みたいに、フィルターがかかっているような心模様が反映されたサウンドもあります。

 ――新アルバム最後の収録曲で、クレイジーケンバンドのリードギタリスト小野瀬雅生さんが作詞・作曲した「Hello,Old New World」も今春できたそうですね。

 「夜明け前が一番暗い」と言…

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この記事を書いた人
冨田悦央
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
人間模様や舞台芸術など