核禁条約、不支持の日本に失望 ICANフィン事務局長

有料記事核といのちを考える

聞き手・松井健
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 核兵器禁止条約の批准国・地域が24日、50に達した。条約の採択を推進し、2017年のノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長(37)が、直前の21日にオンラインでのインタビューに応じ、条約の意義を改めて強調した。

   ◇

 私たちにとっては大きな瞬間だ。批准国・地域が50に達するのは、今年の数少ない前向きな出来事の一つだ。

 この条約は巨大な影響を与えることになるだろう。一日で世界をすぐに変えるわけではないが、私たちが言ってきたように、これは核兵器の終わりの始まりだ。核兵器は今や国際法で禁止され、後戻りはない。

 批准のプロセスが国によって大きく違うことを考えると、採択から時間がかかったとは思わない。核保有国が批准しないように圧力をかけた例もあるが、無視して批准へ進んだ国も多い。

 歴史的に見て、化学兵器や対人地雷クラスター爆弾などが禁止されると、それらを拒否する国際的な反応が起きる。条約に加わっていない国でもだ。人々の目には受け入れられないものと映る。核兵器でも同じことを起こすことができる。私たちがすぐにもできる具体的なこととして、核兵器の製造企業からの投資の撤退(ダイベストメント)の銀行への働きかけがある。

 また、見逃されがちだが、条約の定める具体的な義務の一つに、核兵器の使用や実験による被害者への援助や環境被害に対する改善がある。私にとっては重要な点で、この条約で一人でも救うことができれば、それは価値のあることだ。

 (原爆を投下された)日本の経験を考えると、日本が核兵器を合法のままにしようとしていることに失望している。日本は核兵器がどういうものかをよく知っている。条約を支持しないことで、政府は同じことが再び起きるのを許そうとしている。

 日本の人々が参加を強く支持していることは知っている。しかし、条約に加入しないならば選挙で選ばないと声を上げるなど、政府に要求する必要があると思う。

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