従業員の性犯罪歴確認、河合塾や早稲アカなど参加方針 日本版DBS

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植松佳香 狩野浩平 高浜行人
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 子どもの性被害を防ぐため、子どもと接する職場の従業員や、就労希望者の性犯罪歴の確認を事業者に義務づける「日本版DBS制度」についての国会審議が近く始まる。制度への参加が任意である学習塾の動向を探るため、朝日新聞が大手学習塾の運営会社50社にアンケートしたところ、全体の約6割が参加する意向を示した。義務化を求める意見も多かった。背景には、相次ぐ性犯罪への業界の危機感がある。

 塾を運営する上場企業や、大都市を拠点に広域展開する有名塾・予備校の運営会社50社(一部は学校法人)に4月、制度への参加の意向などを尋ねた。設問に一部でも回答したのは35社(回答率70%)。回答を見送った社は「検討中の項目が多い」(公文教育研究会)、「各ブランドごとに対応が同じではないため回答が難しい」(SAPIX(サピックス)を運営する日本入試センター)などと説明した。回答した社の生徒数は、明らかにした社だけで幼児から高卒生まで計約64万人。講師は計約5万6千人。

 制度について「参加を決めた」としたのは河合塾名古屋市)や英進館(福岡市)など5社。早稲田アカデミー(東京都)など24社が「参加の方向」と答え、調査対象50社の約6割に当たる計29社(回答した社の82・9%)が参加の方針を示した。浜学園(兵庫県)など4社が「詳細未定のためコメントできない」などとし、2社はこの設問に無回答だった。参加しない意向の社はなかった。

 塾の制度参加が任意であることについては「どちらかといえば」を含めて「賛成」としたのが10社だったのに対し、15社が「反対」と回答。反対する理由について、日能研が「学校と塾を区別する必要はない」とするなど義務化を求める声が目立った。

塾側は経営リスク懸念 娘の服装に気を遣う保護者も

 各塾が参加に前向きなのは…

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    太田泉生
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長=人権)
    2024年5月7日21時17分 投稿
    【解説】

    記事末尾には、子どもへの性加害容疑で塾講師らが逮捕された事例の一覧がある。直近一年で、一覧にあるだけで6件ある。 児童生徒への性加害で教員が懲戒処分を受ける事例も頻繁に報じられている。子どもへの性加害は現実に起こりうるものとして、対策を考え

    …続きを読む