学術会議批判、デマとフェイク蔓延なぜ 不幸の副産物

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文芸評論家の藤田直哉さん

 日本学術会議の任命拒否問題で、ネットが大荒れだ。「学問の自由」への侵害だ、学者に忖度(そんたく)させる恫喝(どうかつ)的な権力だ、政権批判に圧をかけようとしているなど、様々な論点が挙がっている。もちろんそれは非常に大事な論点なのだが、本稿ではネットに論を絞る。学術会議側に不利になるフェイクニュースやデマの蔓延(まんえん)が、特に目立ったのだ。

 たとえば、橋下徹・元大阪府知事は、米国や英国の学者団体には税金が投入されていないとして、「学問の自由や独立を叫ぶ前に、まずは金の面で自立しろ」とツイッターでつぶやいた。公共セクターを民営化してきた彼らしい煽(あお)り方だ。だが、米英のアカデミーも、運営資金のかなりの割合が公的資金であることが判明した。指摘を受け橋下氏は「説明不足だった」と釈明したが、説明不足ではなく、端的に「誤り」である。

 デマを広めるのはたやすく…

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日本学術会議問題

日本学術会議問題

菅義偉首相(当時)が2020年、日本学術会議が推薦した学術会議会員候補のうち6人を任命しませんでした。学術会議は「学術の独立性」を掲げて反発。政府・与党は、論点をずらす形で組織改革を打ち出し、学術会議を法人化する法案を提出しています。関連ニュースをお伝えします。[もっと見る]