脱ハンコを追い風に シヤチハタ、電子化は25年前から

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近藤郷平
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 認め印として広く使われる「シヤチハタ」。職場や学校で「脱ハンコ」の機運が急速に広がり、文具メーカーのシヤチハタ(名古屋市)もピンチかと思いきや、あるサービスが脚光を浴びている。看板商品を巧みに変化させてきた老舗が、デジタル時代の試練を切り抜けようと仕掛けた。

 シヤチハタのネーム印は「Xスタンパー」というシリーズのひとつ。インクとハンコを一体化した、朱肉が不要の便利グッズで、社内の決裁印や宅配便の受取印などですっかり定着。1968(昭和43)年の発売以来、後継商品を含め累計出荷数が1億8千万本を超すロングセラーとなっている。

 そんなシヤチハタのいまのイチ押しサービスが、2017年に始めたクラウドでの押印サービス「パソコン決裁Cloud」。スマホやタブレット端末からも利用できる、いわゆる電子印鑑だ。

電子印鑑、一気に30万ユーザー

 稟議(りんぎ)書や届け出書、見積書、注文書などに登録した電子印鑑を押し、PDFで簡単に文書を回覧できる。コロナ禍での在宅勤務に役立ててもらおうと、3~6月に無料で利用できるようにしたところ、ユーザーが急増。このサービスを使えば、「ハンコ出勤」の負担が軽減できる。3月末に1万5千だったユーザーが、30万を超えるまでに広がっている。

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 料金体系もシンプルで、認め…

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