女性宰相、かけ声だけでは生まれない 議論乏しい総裁選

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政治部・太田成美
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取材考記 政治部・太田成美記者

 「陰で支えた奥様はどんな方ですか」

 9月の自民党総裁選。党青年局・女性局主催の討論会での、地方の女性局長からの質問だった。答えは「家庭を守ってくれる」「ついてきてくれた」――。「子育てを振り返って」との問いには、後に総裁となる菅義偉氏ら3人の候補者は、「ほとんど家にいなかった」と口をそろえた。一連のやりとりに、言いしれぬ違和感を覚えた。

 今回の総裁選にも、女性候補は立たなかった。1955年の自民党結党以来、立候補した女性は2008年の小池百合子・現東京都知事だけだ。

 「総裁選はいい宣伝の場だ。勝てないにしても女性もいれば、それだけで多様性があるとか、懐の広い自民党というメッセージが出せるが、それさえしない」。三浦まり上智大教授(政治学)はこう指摘する。さらに、「女性議員のプールを増やし、閣僚や党の役職の経験を積ませないと。首相候補者にはまずなれない」。現状はどうか。

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 三浦氏も関わり、18年に施…

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