高齢者のお金を守る 勧誘で良い気分は要注意のサイン

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編集委員・浜田陽太郎 同・伊藤裕香子
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 人生100年時代といわれ、いつまでも健やかに、お金に困らず暮らしたいと願う人は多い。年をとってからのお金の失敗はダメージが大きいが、どうすれば防げるのか。誰に相談すればいいのか。高齢者福祉の視点から考えた。

 「施設の入居資金にと思っていたのに」(82歳女性)、「この先不安でいっぱいです」(79歳女性)、「詐欺同然で納得がいかない」(81歳男性)……

 老後の金融取引で損失を抱え、相談相手もなく悩み苦しむ。そんな高齢者の思いが切々とつづられた投書が、朝日新聞「シニアマネー取材班」に70通以上寄せられている。金銭的な被害だけでなく、穏やかな生活をかき乱し、もはや心の健康問題だ。

 今回、社会福祉士資格を持つ記者2人が高齢者支援の視点から、「過度な信頼」「認知のズレ」「相談相手選び」の三つのキーワードで問題を整理してみた。

長年つきあった銀行なら安心?

 「現役世代と違い、お年寄りは稼いで損失を回復することが難しい。それだけに損をすることによる心の傷の痛みは大きい」

 公益社団法人「日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会」の永沢裕美子代表理事はそう話す。大手証券会社出身で、金融庁の審議会委員も長年務めてきた。

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 現状はどうか。独立行政法人

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