学問への介入か 繰り返す慣例破り、問われる政権の姿勢

有料記事

小泉浩樹 菊地直己 吉川真布
[PR]

 「日本学術会議」の新会員をめぐり、会議が推薦した候補者のうち6人を菅義偉首相が除外したことは、憲法が保障する「学問の自由」が問われる問題に発展しつつある。政権の意に沿わない人材を追いやる手法は、安倍政権から菅政権にも継承されるのか。菅政権は拒否の理由を説明しないままだ。

 「どうして会員に任命されなかったのか、理由はまったくわからない」。2日、国会の野党ヒアリングに呼ばれた早稲田大の岡田正則教授(行政法学)は政府の対応に疑問を呈した。

 学術会議が推薦した人を首相が拒否することは過去一度もない。中曽根康弘首相(当時)は1983年、「政府が行うのは形式的任命にすぎない。学問の自由独立はあくまで保障される」と答弁している。

 野党はヒアリングで、菅政権が6人を排除した意図について、学術会議を所管する内閣府の幹部らを追及。2年前、内閣法制局と首相の任命権に関する過去の政府答弁について協議したことを認めた。

 法制局幹部は2日、朝日新聞の取材に、18年11月、同会議から推薦された人を「必ず任命する義務はない」ことを確認する文書を内閣府が示し、了承したことを認めた。安倍政権が2年前から検討してきたことが、実行された形だ。

 安倍政権では、政権の方針に…

この記事は有料記事です。残り1968文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら