余裕見せる新政権の立役者 認めなかった「ポスト安倍」

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清宮涼 明楽麻子
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 自民党総裁選で最も激しく火花を散らしたのは、菅義偉氏を支持した派閥同士だったかもしれない。

 9月2日夕、主要3派閥の領袖(りょうしゅう)がそろって会見を開いた。

 安倍政権を支え続けたキーマンで、麻生派(54人)を率いる麻生太郎副総理兼財務相、党内最大派閥の細田派(98人)会長の細田博之元幹事長、そして竹下派(54人)会長の竹下亘元総務会長の3人。表向きは総裁選に出馬する菅氏への支持を表明するための会見だったが、3派側の幹部の一人は「菅氏に3派の存在感を示すことが大事だった」と証言。菅氏に立候補を促して早々と勝利の流れをつくった二階俊博幹事長への対抗心は隠しようもなかった。

 麻生氏は、会見に二階派が同席していないことを問われて素っ気なく言った。「あそこはもう支持を表明しておられますから」

 一方、事前に会見の開催を知った二階派の河村建夫官房長官は麻生氏に「菅さんを応援する気持ちは同じ。主導権争いをやっていると余計な臆測を呼ぶ」と電話で申し入れた。二階氏に近い党幹部は「幹事長を代えろということか」と不快感をあらわにするなど、両陣営の確執は熱を帯びていく。

 それでも、菅政権誕生の立役者である二階氏の優位は明らかだった。3派会見の当日、二階氏は周囲にこう言って「勝者の余裕」を見せつけた。

 「遅れてきたお客さんいらっしゃいだ」

夏前に「菅が一番いいだろう」

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 菅氏擁立の動きは6月にさか…

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