米欧の中央銀行で進む「日銀化」、自信深める黒田総裁

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編集委員・原真人
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 安倍政権の意を受けた日本銀行の黒田東彦総裁が、アベノミクスの一環として異次元緩和に乗り出してから7年5カ月。おおもとの安倍晋三首相が16日に辞任し、「黒田総裁も早晩、任期途中で辞任するのではないか」という見方が日銀ウォッチャーたちの間にくすぶっている。

 総裁の辞任論がここで浮上してくるのは、現在75歳と高齢の黒田総裁が2年前に再任され、2023年春まで任期が延びたことが、そもそも異例だということがある。

 それに、短期決戦で終わるはずだった異次元緩和がここまで長期化し、副作用やリスクの拡大も目立つ。それが「金融緩和の行き過ぎがもたらすショックが表面化する前にポストを離れたいのではないか」という観測につながっているのだ。

 だが最近の黒田総裁の発言を聞いているとむしろ政策の正当性に自信を深め、任期を勤め上げる意欲を高めているのではないかとさえ思えてくる。自信の背景にあるのは欧米の「日本化」、そして欧米中央銀行の「日銀化」である。

低成長・低インフレ・低金利の低温状態

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