元帥の娘で改革派…中国離れ、明かした過去と憂国の予言
吉岡桂子
熱帯の大木が、庭で濃い緑の枝を広げている。タイ北部チェンマイで、中国の改革派知識人の戴晴(タイチン)さん(79)に会った。「のんびりした所に住みたくて」。北京から数年前に拠点を移した。郊外の山荘が突然、取りつぶされたからだ。当局からは、習近平(シーチンピン)政権の環境保護政策の一環と説明された。「中国の農村でも探したけど、いつも土壇場で横やりが入った」。往来はするが、ついのすみかはここに決めたという。中国で厳しさを増す言論弾圧と無縁ではなさそうだ。
むわっとした風に吹かれながら向き合うと、思わぬ打ち明け話が始まった。1980年ごろ、「スパイだった」というのだ。東西冷戦下で貿易が制限されるなか、大型コンピューター技術を西側諸国から購入する工作を主な任務とするチームにいた。
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実父は日中戦争時の高位のス…
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