島から自衛隊で避難、窓に板…台風10号備え各地で警戒

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 九州各地では5日、接近中の台風10号にそなえて避難や住宅の補強など警戒する動きが強まっている。「何事もなく台風に過ぎ去ってほしい」。住民たちは不安を募らせている。

 「島に残った家族や知り合いが心配です」。鹿児島県の離島、十島(としま)村の宝島から鹿児島市内に避難した30代女性は5日朝、不安そうに話した。

 県の災害派遣要請を受けた自衛隊ヘリで4日夜、島から避難してきた。台風警戒のため、消防団員の夫や知り合いは島に残っている。「とにかく何も被害が出ないで、と願うだけです」

 十島村から避難したのは住民約670人のうち約200人。4日夜、鹿児島市内のヘリポートに着陸したヘリからは、スーツケースやバッグなどを手にした住民が降り立ち、村の手配したホテルに向かうバスなどに乗り込んでいた。80代女性は「こんな経験は初めて。島に帰ったら家がなくなっていないか心配」。

 鹿児島・奄美大島では5日朝、海岸に高波が打ち寄せていた。

 奄美市の名瀬港近くのホテルでは、強風に備えて窓に板をはるなどの対策を取っているという。30代の従業員は「島民にけががなく、何事もなく過ぎ去ってくれればいいですが……」。

 福岡市博多区の博多バスターミナルでは、市内の主婦(49)が段ボールやブルーシート、粘着テープを入れたかばんを持って長崎行きバスを待っていた。台風にそなえ、長崎市の実家の窓に粘着テープなどを貼りに行くといい、「80代の母親が一人暮らし。これまでの台風と同じように考えているみたいで心配なので、福岡に連れて戻るつもり。被害がないといいけど」と心配そうだった。

 福岡市の会社員土屋里美さん…

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