来年2月に開催されるベルリン国際映画祭が、これまでの「主演男優賞」「主演女優賞」を廃し、性別に関係なく新たに「主演俳優賞」「助演俳優賞」を設けると発表しました。カンヌとベネチアを含めた世界3大映画祭では初の試みとして「性的中立」を掲げ、「映画業界がよりジェンダーに敏感になるためのシグナル」とするとしています。俳優やシンガー・ソングライターとして性差を超えた活躍を続けてきた美輪明宏さんは、歌舞伎や宝塚歌劇団の歴史に触れ、「性を超えて演じるという観点でいえば日本は先進国」と指摘した上で、今回の決定について「ずいぶんと時間がかかった」と語りました。
◇
授賞式で「次回から美輪さんは女優賞で…」
今回の報道を目にして思い出したのは、1998年の読売演劇大賞で優秀男優賞をいただいた時のことです。授賞式で、ある俳優さんが大勢の前で、「次回から、美輪さんは女優賞でノミネートしていただきたい」とおっしゃったのです。頭にくるというよりも、「そもそも男優賞とか女優賞とか、分けなければいいのに」と思ったものです。
ここから続き
女優さんにしかできない演技…