「メイショウ」が磨く存在感 地方証券取引所の役割とは

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花野雄太
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 「伊勢町(いせまち)」の通称で知られる名古屋証券取引所。株取引でも東京集中が進む中、地方証取の役割が問われている。竹田正樹社長(67)に展望を聞いた。

 ――東京証券取引所への取引集中が進んでいます。

 「売買高のシェアは低くても、名証の上場企業の時価総額は東証の約20%の規模で、上場企業数でも1割近くあります。名証と東証に重複上場している企業の株取引は、ほぼ自動的に東証に集中する仕組みになってしまっているので、売買高だけを見れば、名古屋、札幌、福岡の地方取引所はいらない、東証だけでいい、と思われるかもしれませんが、取引所の役割は株の売買だけではありません。例えば小売りでも全国チェーンのスーパーと地元の商店街があるように、取引所にもそれぞれ特色があります。新たな企業を育て、上場企業に魅力的なサービスを提供しながら中部地域の経済発展に貢献することが名証の存在意義です」

 ――名証の特色は何でしょうか。

 「IR(投資家向け広報)のサポートやサービスです。多くの上場企業と投資家が集う『IRエキスポ』を26年前に国内で最初に始めました。重複上場している地元企業からは『東京で記者発表をしても埋没してしまう』という声をよく聞きます。地域の取引所だからこそ情報発信や開示相談などを含め、様々な点できめ細かなサポートやアドバイスができます」

 ――名証上場企業は減少傾向です。

 「認知度不足は以前からの課題です。かつては『メイショウです』と名刺を出すと名古屋商工会議所と間違えられることもありました……。副社長のころから毎年、東京や大阪の企業を何十社も訪ねて名証上場のメリットをアピールしています。昨年の新規上場企業数は十数年ぶりに10社となり、減少傾向だったのが、純増に転じました」

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 ――中部の企業の多くもコロ…

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