持続化給付金から撤退の電通 政府との蜜月関係の背景は

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伊藤弘毅 新宅あゆみ 箱谷真司 野口陽
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 新型コロナウイルス対策で中小企業などを支援する持続化給付金事業について、経済産業省は今月、給付業務の委託先を変更することを決めた。いまも給付金の申請が相次ぐなかで、その中核を担う事業者を変更するのは極めて異例だ。背景には、これまで業務を任せていた一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が仕事の大半を電通に再委託していたことに対する厳しい批判がある。

 電通は近年、社団法人などを介して政府の事業を次々と引き受けていた。なぜ、そんなことが可能だったのか。電通と政府の間には、どういう関係があったのか。背景を探った。

存在感増す旧「15局」

 「パブリック・プラットフォーム・センター」(PPC)。電通のなかで、経産省の持続化給付金事業を中心的に担ってきた部署だ。おもに官公庁の仕事を請け負うところで、かつては「第15営業局」という名称だった。

 名だたる民間企業を顧客とする同社のなかで、公共部門を受け持つ異質の存在。ある中堅社員はいう。「『15局』は近年仕事が大きくなり、存在感が増してきた」

 電通ではマスコミ4媒体(新…

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