チェルノブイリ経験、被爆国の日本に共感も ベラルーシ
連日大規模な反政権デモが続くベラルーシ。8月9日に行われた大統領選挙での不正疑惑をきっかけに、ルカシェンコ大統領の退陣を求める動きが広がっています。ただ、多くの日本人にとっては、なじみの薄い国という印象です。ベラルーシに詳しい日本学術振興会・特別研究員(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター所属)の清沢紫織さんに、どんな国か聞きました。
ロシア、切っても切れない結びつき
――日本人にとって、ベラルーシというと「どこにあるのだろう」という人も多いのではないかと思うのですが……
東はロシア、西はポーランドに接していて、ロシアとヨーロッパに挟まれている形になりますね。かつてロシアやポーランドなど周辺の大国の一部として支配されていた期間が長く、旧ソ連の時代にはウクライナなどとともにソ連邦(ソビエト社会主義共和国連邦)の構成国の一つでした。ソ連の崩壊に伴って1991年に誕生した「ベラルーシ共和国」が、今のベラルーシです。
――ベラルーシは「ヨーロッパ」になるのでしょうか?
ベラルーシの人たちはベラルーシを「ヨーロッパ」と紹介することもありますが、欧州連合(EU)には入っていないですし、文化的・政治的に完全にはヨーロッパに参加できていない感覚はあると思います。
一方で、ロシアとの関係が深く、旧ソ連時代にはロシア語が優先的に教えられたこともあって、ほとんどの国民はベラルーシ語よりロシア語が得意です。また、親戚や知り合いがロシアにいる人も多く、ロシアに対して少なくとも敵対心はありません。経済的にはロシアに依存する側面が大きく、ロシア経済が傾けばベラルーシ経済も傾く、といったふうに切っても切れない結びつきがあります。
日本とのつながりも
――文化や自然、産業の特徴を…
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