第4回サラリーマンがする仕事でない 関電元社員「工作」証言

有料記事原発と関電マネー 立地「工作班」の証言

白木琢歩 室矢英樹
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 関西電力石川県珠洲市で進めた原発計画で「工作活動」がエスカレートしていく――。関電の元社員らがこう証言した。

「市民の立場になりきって書いた」

 元社員(73)は珠洲立地事務所で「議会班」に配属された。まず保守系の市議へのあいさつ回りから始めた。市議の自宅や事務所を訪ねては世間話をし、飲食を共にして信頼関係を築いていった。

 保守系の新人議員を取り込み、計画を迅速に進めるため、毎週木曜の夜に2時間、関電本店から講師役の社員を呼び、勉強会を開いた。2年間続けた。「原発の経済性、安全性、必要性を教えてもらい、これは造らんとダメだと思った」。参加した元市議の男性(79)は話す。

 市議会の定例会が近づくと、議会対応で上司に相談した。上司は、高屋地区での地盤調査が中断していることに触れ、「早期再開を求める請願書を出したらどうか」と答えたという。元社員は市内の推進派の住民団体の了承を得て、この団体の名前を借りた請願書を自分で作成した。「市民の立場になりきって書いた」と回想する。

 調査再開という目的達成に向け、元社員は市長選にも介入していきます。どのような手法だったのか。記事後半で詳しくお伝えします。

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 1989年に関電が実施した…

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