高倉健さんがつなぐ戦争の記憶、24人の証言が書籍に

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金子和史

 映画俳優の故・高倉健さんと親交のあった人らの戦争体験をまとめた証言集「高倉健の想いがつないだ人々の証言『私の八月十五日』」が出版された。終戦を迎えた場所や年齢、その後の生き方も全く異なる24人の記憶が、高倉さんを通じて一つの本にまとまった。

 「私の八月十五日」は、東京都国立市の出版社「今人舎」が2015年、絶版になっていた戦争体験の証言集を復刊させたもので、その後シリーズ化され、これまでに7巻が発行されている。高倉さんはこの復刊にあたって自身の戦争体験を寄稿。体験を自ら朗読した音声データも託したという。

 今回、同社が戦後75年の節目に総集編を企画し、資金援助を募るなかで、高倉さんの養女・小田貴月さん(56)から協力したいと申し出があった。

 戦争体験をあまり語らなかった高倉さんだが、小田さんによると、晩年は「体験を伝えていかなければいけない年齢になった」とつぶやいていたという。北九州市の炭鉱で勤労奉仕をした際に、操縦士の顔が見えるほどの至近距離から機銃掃射を受けたこと。学校で和文のモールス信号を習ったこと。14歳で迎えた終戦の日、寺の境内で大人たちがラジオを囲んで泣いていたことなどをぽつりぽつりと語るようになっていた。

 小田さんは「高倉なら何をし…

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この記事を書いた人
金子和史
那覇総局
専門・関心分野
沖縄、平和、事件、司法