「女子大は避難所」トランス女性受け入れた副学長の真意
聞き手・宮崎亮
出生時の性別が男性で、自らを女性と認識するトランスジェンダー(TG)の学生の受け入れが今春、お茶の水女子大(東京)と奈良女子大の国立2大学で始まった。ジェンダー法学を研究する奈良女子大の三成美保副学長に話を聞いた。
奈良女子大・三成美保副学長に聞いた
――トランス女性が奈良女子大を受験する時、どういう手続きが必要ですか。
出願の1カ月前に、大学教授らの事前面談を受けます。その際、自分の性別についての認識「性自認」を証明する書類が一つあればOK。医師の診断書、医師・カウンセラーの意見書、親族2人の署名が入った本人の説明書などでもいい。親に認められていない人でも入学できる仕組みです。大学からは、トイレや更衣室などの設備や、提供できるサービスの説明をします。
――名前も通称名を使えるんですね。
学生証や卒業証書などでも使えます。学内で作る書類には性別の記載はないし、学外に提出する書類に必要なら、本人が申し出た性別を記載します。戸籍名が必要なのは学籍簿と国家資格などの書類だけ。学校で通称名を使っているという実績がないと、戸籍上の名前を変えたくても変えられませんしね。
――女子大がトランス女性を受け入れる意義とは。
性自認こそが性を決定する重…