岡山)木彫りの温かみ はしもとみお展人気

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中村通子 聞き手・中村通子
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 新見美術館(岡山県新見市西方、0867・72・7851)で開催中の木彫作家はしもとみおさん(40)の個展「にいみどうぶつ列車へようこそ!」(新見市など主催、朝日新聞岡山総局など後援)が人気だ。ちびっ子から老夫婦まで、幅広い年齢の人たちが県内外から、山あいの町の高台にある小さな美術館に足を運ぶ。はしもとさんのインタビューと、会場にちりばめられた仕掛けや工夫をたどり、人気の秘密を探った。(中村通子)

 ――列車がテーマですね

 この美術館の窓からは、複数の路線が乗り入れるターミナル駅と、行き来する列車が見える! 初めて訪れた時、強い印象を受けました。今回は「西日本豪雨復興祈願」の特別展ですが、加えて新見市は昨夏も局地豪雨に襲われたと知り「苦しい思いをした人たちが笑顔になる、明るく楽しい展覧会にしよう」と考えました。コロナ禍で、今は思うように列車の旅は出来ませんが、この展覧会に設けた動物たちの駅を巡り、想像の旅を楽しんでもらえればと思います。

 ――木彫作家になるきっかけは、1995年の阪神大震災だそうですね

 当時中学3年で、兵庫県尼崎市で被災しました。あの日を境に、近所の犬や猫の気配がぱたりと消え、「命とは、ある日突然失われるものなんだ」と衝撃を受けました。命とは何だろう。考え、「輪郭を保つもの」だと思い至りました。輪郭を残せば、命は続く。それで、美大に進学し、彫刻を学び始めたんです。

 ――選んだ素材は木ですね

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 「もう一度さわれる」ことは…

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