コロナ対策のせいかも 別の熱病がシンガポールで大流行

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シンガポール=西村宏治
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 新型コロナウイルスの感染が収まらないシンガポールで、デング熱が過去最悪のペースで広がっている。デング熱は蚊が媒介する感染症で、高熱や吐き気などの症状に見舞われる。新型コロナ対策のため在宅勤務が増えた影響もあるようだ。

 国家環境庁によると、12~18日に判明したデング熱の患者は1736人。過去最多だった2014年のピーク時(891人)の2倍近い。

 流行の理由の一つに挙げられるのが気候だ。今年は雨が多く涼しいことが、蚊の発生や活動量を増やした可能性があるという。6月の降雨量は過去10年で最多。平均気温は過去20年で2番目に低い水準だった。

 ウイルスの型の違いも注目されている。デング熱のウイルスの型は4種類あり、今年は昨年と違う型の流行が報告されている。このため免疫を持つ人が少なく、医療機関を訪ねる患者が増えているとみられる。

 さらに、今年の特殊事情に新型コロナ対策がある。4月から6月にかけて外出制限が導入され、その後も在宅勤務を続ける人が多い。高層ビルなどのオフィスに比べれば、住宅地には蚊が多い。ウイルスの広がりに詳しい南洋理工大学のルオ・ダハイ准教授は「一日中、自宅にいる人が増えれば、住宅にいる蚊からすると食事の機会が増えたようなものだ」と説明する。

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 新型コロナの影響がより強く…

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