【朝日新聞ポッドキャスト】新型コロナとの戦い 世界の現場から@トルコ
世界で感染者数が1千万人を超え、なお広がり続ける新型コロナウイルス。脅威と向き合いながら、いかに経済活動を続けるかに関心が集まっています。中東のトルコは当初からはっきりと経済を重視し、21歳から64歳までの生産年齢層を外出制限の対象から外しました。そこでは何が起きたのか。イスタンブール支局の其山史晃記者に聞きました。
ポッドキャストでは
気配を感じ、話を突然そらした取材中の男性。「批判なき社会」トルコの深層を、其山史晃記者がリポートします。
Q トルコが取った外出禁止令とは、どんな中身だったんですか。
A 対象を65歳以上と20歳以下だけに限りました。社会を支える働き盛りの世代に対しては、外出の自粛要請にとどめました。
トルコのエルドアン大統領は、かねがね「経済は止めない」と強調してきました。このことは、週末の土日だけは年齢に関係なく全面的に外出を禁じたことにも反映されています。一般的には、平日に働きますからね。こうした措置も今は解除になっています。
Q しかし、通勤で移動すれば感染を広げるリスクが高まります。
A たとえばトルコ最大の都市イスタンブールは人口1550万人。イスタンブール市の推計では、外出自粛期間中も毎日240万人が公共交通機関や自家用車を使って移動しているそうです。
私が取材した、イスタンブール中心部の洋服店で働く25歳の男性は、バスに乗って片道1時間かけて通勤しているそうです。「感染の危険は感じるが、外出禁止の対象外なので、店を開ける間は出勤しないわけにいかない」と話していました。
Q なぜ政府は経済を優先するんですか?
A トルコでは2018年8月…
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