千年に1度の大雨、想定しても…浸水対策、自治体足踏み

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山本孝興 渡辺洋介
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 中小河川の浸水想定区域の指定が進んでいない。洪水などで大きな被害が出るおそれがあるとして指定が義務づけられている大規模な河川を優先したり、予算が足りなかったりしているためだ。中小河川の氾濫(はんらん)が相次ぐなか、住民へリスク情報をどう周知するかが課題となっている。

手がつけられない「その他河川」

 昨年10月の台風19号など一連の豪雨で32人(関連死を除く)が亡くなった福島県。9割以上の29人が河川の氾濫が原因とされる。

 同県飯舘村の用水路で遺体で見つかった男性(当時75)は、新田(にいだ)川水系の川の氾濫に巻き込まれたとみられている。この川は、浸水想定区域の指定対象ではない中小規模の「その他河川」で、村は当時ハザードマップを作っていなかった。

 県内を流れる県管理の計491河川のうち、「その他河川」は計459。県はこのすべてで浸水想定区域の指定を検討している。だが、浸水想定区域の指定が義務となっている「洪水予報河川」や「水位周知河川」の作業が終わっておらず、「その他河川」には手が付けられていない。

 背景にあるのが2015年の…

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