都知事選、4氏が討論会 コロナ対応の評価で違い際立つ

2020東京都知事選挙

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 7月5日投開票の東京都知事選で27日、候補者4人が告示後初めてオンラインでの討論会に出席した。都内での新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向にある中、東京都のコロナ対応などについて、論戦を繰り広げた。ダイバーシティー(多様性)をめぐる質問では、候補者ごとの意見が分かれた。

 ニュース配信ネットメディア「Choose Life Project」が主催し、ユーチューブでライブ配信された。参加したのは、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、現職の小池百合子氏(67)、元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)。NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)は主催者の判断で招かれなかった。

 4人の主張の違いが際立ったのが、都内の新型コロナの感染者の抑え込みがうまくいっているかを問う質問だ。小池氏のみが「○」を掲げ、他の3人は「×」とした。

 小野氏は、都による休業や短縮営業の要請に触れ、「経済回復を重視した政策が東京だけすごく遅い。どんどんお店が厳しくなることを長くやってきた。それでいて、感染者を抑え切れていない。非常にまずかった」と批判した。

 宇都宮氏は、3月下旬に小池氏が「感染爆発」などと発言したことに触れ、「その前から(感染は)広がっていた。初動対応を誤った」と批判。「東京アラート」についても解除後、感染者が増えたとし、「基準が不明確で混乱をもたらした」と指摘した。

 山本氏は「何よりも検査体制の拡充を大急ぎでやらなきゃいけない。保健所にかなりの負荷がかかった。感染症以外の保健所の仕事もあり、これに人員と予算を割く。無症状の感染者がどれぐらいいるか把握していく必要がある」と訴えた。

 小池氏は「夜の街関係の方々が積極的に検査を受けている。数字を比べればいいというものではない」と反論。「第2波に備え、宿泊療養のホテルを押さえ、医療体制が逼迫(ひっぱく)しない状況を作った。治療薬開発を後押ししていく」と述べた。

 候補者ごとに意見が分かれた質問も相次いだ。

 同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」の導入については、山本氏、宇都宮氏、小野氏が「○」、小池氏が「△」と回答した。罰則付きの「ヘイトスピーチ禁止条例」の制定では、山本、宇都宮両氏が「○」、小池、小野両氏が「×」と意見が割れた。

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 N国党首の立花氏は27日、JR錦糸町駅前で演説し、新型コロナについて「若者は感染しても死に至るリスクが低い。全ての人に一律に自粛を求めれば経済が崩壊する。次にコロナが蔓延(まんえん)しても子どもたちの活動を止めるのは科学的根拠がない」などと訴えた。

討論会の10の質問への候補者4人の回答

①東京の新型コロナ・感染者の抑え込みはうまくいっている?

 山本太郎氏=×、小池百合子氏=○、宇都宮健児氏=×、小野泰輔氏=×

②コロナなどで住む場所を失った人に住まいを提供する?

 山本氏=○、小池氏=○、宇都宮氏=○、小野氏=○

東京五輪パラリンピックの開催に賛成? 反対?

 山本氏=×、小池氏=○、宇都宮氏=×、小野氏=○

④同性パートナーシップ制度の導入に賛成? 反対?

 山本氏=○、小池氏=△、宇都宮氏=○、小野氏=○

⑤東京にカジノを誘致する?

 山本氏=×、小池氏=△、宇都宮氏=×、小野氏=○

⑥築地の地元経済は守られていると思う?

 山本氏=×、小池氏=○、宇都宮氏=×、小野氏=×

⑦都立病院の地方独立行政法人化の方針に賛成? 反対?

 山本氏=×、小池氏=○、宇都宮氏=×、小野氏=○

⑧罰則付き「ヘイトスピーチ禁止条例」の制定を目指す?

 山本氏=○、小池氏=×、宇都宮氏=○、小野氏=×

原発は、重要なベースロード電源

 山本氏=×、小池氏=△、宇都宮氏=×、小野氏=○

⑩水道の民営化を進める?

 山本氏=×、小池氏=×、宇都宮氏=×、小野氏=○

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