弟の死を望んでしまう 手を出すのを必死に抑える日々

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悩みのるつぼ

 40代女性です。弟の死を望んでしまいます。

 弟は周りの忠告も聞かず糖尿病を悪化させて視力を失い、透析に通っています。ほぼ寝たきりの状態を10年間世話をしていた母が要介護状態となり、近所に住む独身の姉である私が二人の家事、介護をしています。私は夕方からの勤務になりそれまで世話が続きます。

 ヘルパーの利用や様々な社会的支援の助けがありますが、何よりストレスなのは、弟の言葉です。弟の下の世話や嘔吐(おうと)の処理、夜中の汚物の始末。ほんとに嫌です。嫌だけど、気持ち悪いけど、だからと言って片付けなかったことは一度もありません。睡眠を妨げられ、寝不足になって疲れて、私は不機嫌になります。「おはよう」と声を出す気にもなりません。弟への態度も冷たくなります。

 そんな私を弟は「言葉がきつい、愛情がない、冷たい人間だ」といいます。私は冷たい人間でしょうか。そのたびに心で「死ね! 死んでしまえ」と思います。本当に手を出しそうになるのを必死に理性で抑えます。私の目は鬼のようにつり上がっていると思います。

 行政に相談しろとか、ひとりで抱えないでとか、きれいごとの回答はしないでください。私が面倒を見るしかないのです。私はずっと、かつては仲のよかった弟に対し「死ね!」と思い続けるしかないのでしょうか。

回答者 社会学者・上野千鶴子さん

 要介護の母と障害のある弟の多重介護。そりゃたいへんでしょう。こういう時には、結婚していないシングルの娘に介護要員が最優先に割り振られるのもよくある話。

 「行政に相談しろとか、ひとりで抱えないでとか、きれい事の回答はしないで」と先手を打たれて、回答のハードルが上がりました。「私が面倒を見るしかないのです」とありますが、自ら選択肢を狭めることはありません。

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 「弟を世話していた母」が要…

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