新型コロナ感染で労災認定 集団感染した病院の看護師

滝沢卓
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 新型コロナウイルスの集団感染が発生した「中野江古田病院」(東京都中野区)で働く看護師の女性が新型コロナに感染したのは仕事が原因だったとして、新宿労働基準監督署に4日付で労災認定された。女性と代理人弁護士が8日、オンラインで記者会見して明らかにした。

 中野区によると、中野江古田病院では5月28日までに患者など計107人が感染。代理人弁護士によると、女性は4月に発熱などの症状が表れて自宅待機となり、PCR検査で陽性が判明。約20日間入院した。入院中だった5月15日に、弁護士を通じて労災申請。退院後の現在も呼吸が苦しくなる時があり、自宅で療養している。

 労災を申請するまで病院側からは労災手続きについて説明がなかったという。女性は「体を張って現場に立っている医療従事者が、一人でも多く正当な補償を受けられるよう望みます」とコメントした。

 また、女性と同居していた高齢の母親も、新型コロナに感染して一時入院したという。女性の代理人の川人博弁護士は「職場感染の影響を受ける家族への補償のあり方も真剣に議論すべきだ」と指摘した。

 厚生労働省によると、6月4日時点で新型コロナ感染の労災申請は94件あり、8件が認定された。うち3件は医療業という。厚労省は、医師や看護師、介護に携わる人などは、プライベートで感染したことが明らかな場合などを除き、原則として労災と認められるとしている。(滝沢卓)

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