人類はいま、世界中に蔓延(まんえん)した新型コロナウイルスの脅威に直面しています。今回は、疫病と向き合ってきた人々の歴史を紹介します。
妖怪「アマビエ」が人気らしい。江戸時代、肥後国(ひごのくに)(熊本県)の海に現れ、「疫病が流行したら自分の絵を描いて人々に見せよ」と語ったという。新型コロナウイルス退散への期待を担って、厚生労働省のアイコンにもなった。
髪は長く、鱗(うろこ)が胴を覆う奇怪な姿。星形の目が妙にかわいい。一見人魚のようだが、つんととがった口元は鳥のくちばしに見えないこともない。なぜこうも異形なのか。
「邪(じゃ)をはらうには、より強い表現が必要だったのでは。いるかいないかわからない生物に、人々は希望を託したのでしょう」。妖怪研究で知られる小松和彦・国際日本文化研究センター名誉教授はいう。正体不明の敵に対抗するには超自然なパワーで、というわけだ。当然、目に見えない疫病も対象になっただろう。
入れ墨やデザインで祈願
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科学的知識などなかった昔…
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