「弱将」の汚名のせいで…今川義元、やっと地元に銅像
中村純
戦国時代の武将、今川義元の座像がJR静岡駅北口広場に建てられ、19日に除幕式が開かれた。戦歴や風貌(ふうぼう)から「軟弱」「腰抜け」と揶揄(やゆ)された悲運の将だが、生誕500年を経て故郷に凱旋(がいせん)した。
義元は今の静岡県にあたる一帯を治めたが、後年テレビドラマなどが描く白塗りの顔にお歯黒のいでたちのイメージが先行。桶狭間の戦いで織田信長に敗れたことも引き合いに、「弱将」のレッテルを貼られた。
それだけに、座像建立を提唱してきた市民団体の長である小和田哲男・静岡大名誉教授は「徳川家康の像は県内に四つあるが、義元は初めて」と感慨深げだった。制作費は経済界からの寄付や一般からのクラウドファンディングでまかなった。
式にはご当地キャラクター「今川さん」の着ぐるみも登場。昨年が生誕500年で再評価の動きもある。積年の世評に悔し涙とされたほおを伝わるひとしずくが、この日は「うれし涙」に見えた。
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